沖縄の伝統織物『芭蕉布』
祖父母が芭蕉布の里「大宜味村」出身という事もあり、下記の写真の様な糸紡ぎの道具(糸車)やでっかい織り機などが家にありました。
芭蕉布って何?
「芭蕉ってバナナの木、ですよね・・・・・・?」
芭蕉の木から繊維をとる
『畑の学校沖縄』さんに行くと芭蕉の木から繊維を取りやすくするために、既に大きな葉は取られ筒の状態になっている幹がいっぱい並んでいました。
この中から好きなの2本取り、長いものは胸の高さぐらいまでカットしました。繊維をはぎ取る時に高いとやりにくく、胸の高さぐらいだと作業もしやすくなります。
太い幹は1枚1枚が重なって一本になっています。例えるなら、白菜の白い部分のような物が重なっている感じです。
その一枚一枚の外側の繊維を剥ぎ取るのに、果物ナイフのような物を使います。幹の外側の繊維は硬く、芯に近くなるほど柔らかい繊維なので上質な繊維となります。
繊維を剥ぐときに下に向けて剥ごうとすると、途中で切れてしまうので、斜め45度上に向けて引っ張るようにすると上手く最後まで繊維が切れずに剥ぐことが出来ました。
幹から繊維として使える部分を全部剥ぎ取りると芯の柔らかい部分だけが残ります。
昔の人はその芯の部分は柔らかいので料理として使って食べたそうです。物のない時代、捨てるものは何一つなく大切にし無駄にしなかった、昔の人の物を大切にする姿勢を見習わなければと思いました。
剥いだ繊維は、乾燥そうめんのように束にします。
それを、灰の上澄みが入ったたっぷりの水の鍋に入れ、繊維が柔らかくなるまで煮ます。
灰いりの水。上澄みを取った後なので色が濃くまさに灰色です。
繊維が柔らかくなるまで結構時間がかかります。
1・2時間煮込んだら取り出します。
全体的に柔らかくなるので、竹を使ってその繊維から余分な物を取り除きます。
繊維の強い糸となる部分だけが残りますが、その部分は僅かです。ここまでの作業で数時間。ここから糸の部分だけを残すのにさらに時間がかかり手間だったので、芭蕉布として服を編むとなるとすごい量の芭蕉の木と糸を紡ぐ作業時間がかかるというのを体感しました。
乾かして出来上がった糸。
今回は、ここまで体験させていただきました。
これから先は、まだ束となっている繊維を一本ずつ細かくしていき、糸を結んでいき、糸車を使って私たちが知っている糸のように長くして丸くまとめる作業となります。幼い頃ここからの過程は記憶にあります。が、繊維を取って糸にするということがこんなに大変だとは知りませんでした。
芯は食べれる?!
全部剥ぎ取って、繊維として糸として使えない柔らかい芯の部分は、食べれるということでしたが、ペラペラっと一枚の湯葉のようになります。
これをペラペラにせず、筒のまま自宅に持ち帰りサラダに入れて食べてみました。味・食感は、スイカの白い部分のような感じで、ちょっとシャキッとした感じが意外に美味しくいただけました。
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